さびしがり屋のきつねが小さな里山に住んでおりました。
15夜の少し前の月の夜
草むらの向こうの里に
降りて行きました。
里の入り口には小さな池があり
満月に少し足りない月をゆらゆら浮かべて写していました。
枝の先で水面をつつくと
月は歪んでその姿変えました。
綺麗に写る月と
歪んだ月は同じなのに。
さびしがり屋のきつねは自分の姿を
池に写して
枝で二つに切ってみました。
ゆらゆらゆれて一瞬は二つに別れても
やっぱり。元のきつねになりましたとさ・・・・
・・・・・・・・・
池に写る姿は違っていても
本当の姿はいつまでも変わらないよね?
本当の姿だけ・・・見つめているから。